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遅れて来た小人はいまもなお遅れ続ける
2009.07.04 (Sat)
言葉ひとつが

言葉を交わすことのできなくなった関係というのは、なかなかに辛いものだ。あれだけ仲良くいたのが、こうまで断絶してしまうとは、あの頃には到底思えたはずもない。生きていくことの辛さは様々にあるが、人と人の関係のあり方にまつわる辛さというのは、これはもう如何ともしがたい。

仕事帰りに落ち合って無駄に数駅歩いてみたり、話題の映画だからと一緒に見に行ったり、興味があるから一度はと言ってゲイバーに行ってみたり、そうやっていろいろな時間をともにすごしたはずが、いまではすれ違っても声を掛けることはおろか、視線すら合わせない始末だ。

わるいのはこちらなのだろうと思うが、具体的になにがわるかったのかはどうにもわからない。そんなところがもしかするとこういう事態にまで関係を引き摺ってしまったのかもしれない。わからないでいいはずがないことは確かにあって、これはそのひとつだったのだ。

人の機微は難しい。それでも、もしかすれば分からないなりに結ぶことのできる紐は捜せば見つかるのかもしれない。もう一度昔のようにとは言わなくとも、せめていまよりかはましに、できることなら普通に世間話のできるほどには繋がりを取り戻せたらいいと思う。

都合のいいことを言っているのだろう。話しかけるとすれば、こちらからなのは分かっている。怖い。それが素直な気持ちだ。話しかけて、それでもそのまま反応もなく歩を止めずに去られる場面をどうしても拭い去ることができない。こうして愚図愚図としているうちに、相手は二度と目の前に現れないところに行ってしまう。

どうしたらいいものか。分かりきっていながら、分からないふりをして真正面からぶつかるのを避けている。卑怯だろう。卑怯そのものだろう。怖いというのも、分からないふりをするのと違わない。気持ちがずるいのだ。

最後の最後でそうしたずるさを見透かされただろうか。それがこうして今に至ってしまっているのだろうか。大事な友人だと思っていた。大事に思っていたのは、本当は何だっただろう。

いままたひとつ遠くへと離れていく。行き場のない思いは、ますます行き場を失って、ただ重苦しさだけが積み上がっていく。

言葉ひとつがかけられない。

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